インプラントとは?
インプラントとは、歯を虫歯や歯周病、外傷などで失った場合に、歯の失われた場所の顎の骨の中に純チタン製の人工歯根を植え立て、それを基盤に人工歯冠を作る歯の再建治療方法です。
従来、歯を失った場合にはブリッジという、無くなった歯の両隣の歯を削って、無い部分の歯を作ったり、取り外しの義歯(入れ歯)を作っていました。
しかし、ブリッジについては失った歯を作るために両隣の歯を削ることにより、削った歯の寿命が短くなったり、取り外しの義歯(入れ歯)は、固い物を噛むと痛みがあったり、咬む度に入れ歯が動いたりして、必ずしも快適な使用感が得られるわけではありませんでした。
インプラント治療は失った部分の両隣の歯を削る必要もなく、入れ歯のような取り外しの煩わしさからも解放してくれる画期的な治療法なのです。
インプラントのメリット・デメリットについて
インプラントや部分入れ歯、ブリッジのメリット・デメリット、特徴は下記の通りです。
患者様にそれぞれの治療法のメリットとデメリットの両方を知って頂いてから、インプラント治療を選んで頂ければと思います。
インプラントのメリット
- 安定した噛み合わせを長期間保てる
- 失った歯の数が多くても、噛み合わせの力(咀嚼能力)が回復する
- 見た目がきれいで天然歯に近い
- 天然歯に近い機能が期待できる
- ブリッジのように周りの歯を削る必要がない
- 入れ歯の取り外しのような煩わしさから開放される
- 笑顔が増える
インプラントのデメリット
- 治療期間が比較的長い(通常3ヶ月~6ヶ月)
- 比較的費用がかかる(1本25~30万円程度)
- ブラッシングなど家庭内や医院での定期的なメンテナンスが必要
部分入れ歯のメリット・デメリットについて
部分入れ歯のメリット
- 短期間(数年)使用でみた場合、咀嚼能力をある程度回復できる(天然歯の1/3)
- 健康な歯で支えるなどの必要がない
部分入れ歯のデメリット
- 入れ歯を支える骨や歯の喪失を招きやすい
- 変化する口内環境に合わせるため、数年ごとに作り変えや調整が必要
- 適切な噛み合わせであっても長期間同じ噛み合わせは維持できない
- 装着時の違和感がある
- 天然歯に近い見た目になりにくい
ブリッジのメリット・デメリットについて
ブリッジのメリット
- 見た目が天然歯に近い
- 天然歯と同じように咀嚼することができる
- 噛み合わせを回復することができる
- 歯列の安定したつながりを回復することができる
ブリッジのデメリット
- 対象となる位置の両側にしっかりとした歯がないと適合できない
- 失った歯の数が多いと処置ができない
- 土台となる歯を削る必要がある
- 土台となる歯に噛む力が余計にかかり、清掃性が悪くなるため、その歯を喪失するリスクが高い
- インプラントより長持ちしない
インプラント治療の流れ
カウンセリング・診断
インプラント治療とは何かや治療期間、費用など患者様がご納得いただくまで詳しくご説明し、治療計画を立てます。
また、レントゲン撮影やCT撮影、口腔内写真撮影、インプラント埋入箇所、骨の状態などの診察も合わせて行います。
埋め込み(1次手術~2次手術)
診断計画によって予めシュミレーションされた長さ・太さのインプラントを骨の中に埋入します。
この時、必要に応じてGBRやサイナスリフトなどの付加的治療を併用します。
手術時間は1時間~2時間程度です。入院の必要はなく、翌日から普通に生活できます。
治癒期間
患者様の状態によって3ヶ月~6ヶ月程度の治癒期間があります。
術後1週間程度で抜糸し、仮歯を入れます。
歯肉の状態と噛み合わせの状態を確認・修正し、全体のバランスを整えます。
全体の噛み合わせを整え、表面の色をチェックしながら最終的な装着歯を被せます。
アフターケア・定期メンテナンス
インプラントを長期間持たせていただくためにも定期的なメンテナンスは欠かせません。
毎日のブラッシングによるプラークコントロール(口腔内を清潔に保つこと)が大切です。
また、PMTCで口腔内のクリーニングをすることにより、歯周病になるリスクは大幅に下がります。
歯周病にならなければ、インプラントは安心、長持ちします。